序盤は王道ラブコメかと思いきや、突然の大技炸裂。大丈夫かコレ!? と思いつつも、ヒロインの可愛さと、ひねくれてるけど真っ直ぐな展開が……青春パンク全開! すべてをさらけ出してきた感じがたまりませんでした。
冒頭で、「ミドリムシもしくはチョウチンアンコウの雄になりたい」という主人公の人生観が描かれたときは、こりゃまたビーンボールを投げてきたなと思いました。ところが最後まで読むと、ど真ん中のストレートだったことがわかるという、良い意味で新人賞らしい作品です。青春剛速球、皆様もぜひ打ち返してください!
退屈な日常を早送りする能力――スキップ。子供の頃、誰もが一度は夢想したであろうそんな能力をテーマに描いた、ド直球の青春ラブコメです。まっすぐで、強くて――読んだあとにいろいろ考えさせられる素敵な物語でした。あとヒロインが超可愛いです。
嫌なことを都合よくスキップしちゃう能力は素敵だけど、世の中『なかったこと』にしていいことなんか、一つだってない。それを知ってる読者にとって、この物語はきっと『いまだかつてない』ラブコメになる。
新ジャンル:シーンすっ飛ばされ系ヒロイン。告白シーンを主人公のスキップ能力ですっ飛ばされたのに、気付かず幸せそうなヒロイン・柳戸さんが可哀想かわいい! ソシャゲやエロゲで会話スキップしてる人はコレ読んで、シーンすっ飛ばされ系ヒロインの心境に背徳的快感を覚えるべき……じゃなく反省すべきだと思いました。
とにかくヒロインが可愛い。経験豊富なビッチを装いながら実は純情という男心をくすぐる女の子で胸キュン必至。反面、主人公はとんでもないクズです。偶然手に入れた超能力を使って嫌なことからひたすら逃げる最低野郎です。でも、だからこそ最後の成長が眩しかった。タイトルの意味にも納得。これはなかなか面白い!
ズルをすれば必ずしっぺ返しが待っている。手痛いしっぺ返しを受けた主人公が、それでも歯を食いしばって男を見せる瞬間を、どうか見届けてほしい。そして是非タイトルの意味を噛みしめながら読んでほしい。
晴れて希美と付き合うことになった僕、芦屋優太。少しずつ二人のこれからの思い出を作っていこうとしていたのだけど、僕の意図していないタイミングでの早送り能力が発動してしまう。気づけばクラスの風紀委員、柊木美月の制服盗難疑惑が僕にかけられていた! どうして僕がそんなことを!? さらには一緒に風紀委員をすることになっていたり柊木に希美との関係を否定されてしまったりと、僕の日常は変わってしまった……僕の知らないうちに一体、何が起きたのか、全てを知るために僕は動き出した。他でもない、希美との未来のために——「一人じゃ意味がないんだ。希美と同じ場所にいて同じ時間を過ごさないと」第13回MF文庫J新人賞最優秀賞受賞作!
みんなは近いうちに逃げ出したくなるような嫌なことってある? あるよね、きっと。明日になっちゃえばいいのにって思うようなそんな時。僕、芦屋優太はそんな時間を早送りできる能力を手に入れたんだ。これでもう勉強や揉め事、全ての嫌な時間から逃げることができる。やったね! そうして早送りしながら日々を過ごしてたら知らないうちに彼女が出来ていた! しかも相手はあのクラスの問題児、柳戸希美だって?僕は怯えながらも付き合い始めたんだけど、意外にも柳戸はとても優しくて、そしてとても可愛くて……。どうして柳戸はこんな僕のことを好きになってくれたんだ……?え、このラブコメ、僕だけ知らないの? 第13回MF文庫J新人賞最優秀賞受賞作!
日日日先生
代表作『蟲と眼球とテディベア』超能力を使って女の子にモテモテ! みたいな話かと思ったら『能力』というより『症状』で、嫌なことをスキップできるぶんけっこうな代償を支払わされる点が妙にリアルで好きでした。