夢幻戦舞曲








一度死に、人工吸血鬼として「転生」した少年。生前の記憶を失っており、自分が何者であったのか気になっている。しかし、彼の過去については、御薪製薬の企業秘密という扱いになっている。
「月見里大雅」という名前は、彼を吸血鬼として転生させた美少女科学者(あるいはマッド・サイエンティスト)、御薪黒羽による命名である。生前の名前も非公開。
自分の過去を知るため、そして生活費のために参戦を決める。なお、黒羽の命令により、御薪学園高等部に編入する。クラスは一年A組。
吸血鬼だけあって、傷を負ったときの自己再生能力は特筆に値する。マシンガンで全身を蜂の巣にされたときも、あっという間に復活を遂げた。
吸血鬼とはいえ、太陽光に晒されても平気だし、普通に食事もする。血液に対する欲望も現時点では感じていない。吸血鬼と聞いてだれもが思い浮かべる常識は通用しない。弱点と呼べる弱点があるのかどうかも判然としない。
多くが謎に包まれたまま、大雅は史上最強の幻棲種・吸血鬼の圧倒的な力を秘めながら、『幻神大戦』に人類種の代表として参戦することになる。
STATUS
- 攻撃力:Unknown
- 防御力:Unknown
- 速さ:Unknown
- 妖気:Unknown
- 知能:Unknown
天使族の末裔。ドイツ出身。今回の《ゲーム》に合わせて、天使族が独自技術で誕生させた個体であり、その誕生には謎が多い。リンデ自身も、両親についてはほとんど知らされていない。
没落した天使族を再興すべく、一族の命令で来日した。やさしい性格ゆえに、本人はあまり乗り気ではない。普段は御薪学園高等部の一年生として、平凡な学生生活を送っている。大雅や龍威のクラスメイトでもある。
キリスト教美術などに見られる〝天使の輪〟は、天使が生まれながらにして獲得している障壁{シールド}のメタファーであり、天使の純真さや不可侵性を象徴している。
特にリンデの光輪は、一般的な天使のそれと比較しても規格外であり、「絶対障壁」と呼ぶにふさわしい防御力を誇る。防御力にかけては、全プレイヤーのなかでも随一。
普段は人の姿をしているが、戦闘時は天使としての真の姿を顕現させる。その翼が象徴するように、卓越した飛行能力を有する。ちょっと能力の加減をまちがえただけで、あっと言う間に大気圏外に飛びだしてしまうほど。
STATUS
- 攻撃力:6
- 防御力:10
- 速さ:7
- 妖気:8
- 知能:6
上海出身。先祖代々、龍族の血を引く李家の末裔。龍族の歴史において最高傑作とされる。「龍生九子」に基づく九つの能力を有する。普段はヤンキーみたいな金髪男子だが、覚醒時には巨大な龍の姿に変身する。「妹を救う」という個人的な理由を胸に秘めつつ、参戦を決意した。御薪学園高等部の一年生であり、大雅やリンデと同じ教室で学んでいる。
龍の歴史は、五千年前に誕生した《龍帝》から始まる。
死の間際、《龍帝》は九体の子を産み、各々に一つの能力を引き継がせた。
九体の龍の子、すなわち「龍生九子」は、幾星霜を経て熟成された結果、各々の能力を極限まで研ぎ澄ました。
しかし、ここで問題が発生した。今回の《ゲーム》に参加できるのは、各種族の代表者のみなのだ。龍生九子の子孫たちをすべて参加させることはできない。
そこで十五年前、龍生九子たちは一つの決断を下した。
九体同時に自決し、四千年にわたり九分割されていた魂を再統合。
その魂を、新たなる器に託したのである。
その器こそ、李家の龍威であった。
かくして、龍威は九体の龍の力を一身に宿した。
のみならず、長き歴史を通じて、各々の能力は徹底的に高められていたため、理論的には《龍帝》をも超越する存在となった。
STATUS
- 攻撃力:8
- 防御力:9
- 速さ:4
- 妖気:9
- 知能:5
御薪学園高等部で教師をしている。専攻は化学。大雅たちの担任でもある。
元々は、フリーランスのテロリストであったが、己の欲望の捌け口になることを期待して、海上都市オリュンポスにやって来た。教師とは、世を忍ぶ仮の姿である。
鵺とは本来、日本の妖怪であり、頭が猿、胴体は狸、手足は虎で、尾は蛇、そして声は虎鶇{とらつぐみ;鳥の一種}だと伝えられている。
しかし、赤石埜が使役する鵺は根本的にちがう。平安時代、悪しき陰陽師・赤石埜時征{あかしや・ときまさ}の呪術によって、人工的に生みだされた合成獣なのである。生命、非生命を問わず、貪欲に捕食してしまう習性があり、極めて凶暴である。
赤石埜家は1000年にわたり、様々な鵺を合成し、まるで式神のように呼び出しては、使役してきた。
もっとも、赤石埜家が断絶した後、鵺たちは野生化し、日本各地の山岳地帯に逃れた。その数、およそ数百体……。
そして現代。一度は断絶した赤石埜家だったが、その末裔である少年・赤石埜舜嶽は、独学により陰陽師となった。だが、彼が目指したのは、決して良い陰陽師ではなかった。一度は野に放たれた鵺をすべて捕獲し、自分専用のペットとして調教。しかも最先端の遺伝子工学技術に基づき、独自に新たな鵺を合成している。さらには、自らの肉体と鵺たちの肉体を融合させるまでになった。彼自身が鵺と化したのである。
開会式が執り行われる以前、フライング気味に行動を起こした赤石埜は、天使族の少女に巡り会う。そして、彼女に異常なほどの執着心を見せるようになる。
STATUS
- 攻撃力:8
- 防御力:8
- 速さ:5
- 妖気:9
- 知能:9
人狼族の青年。アルジェリア出身。享楽主義者。ただ「おもしろそうだから」という理由だけで参戦を決めた変わり種。人狼族最後の生き残りであるだけに、「種族のために」といったしがらみとは無縁である。
第五区の洋食屋兼酒場「銀狼亭」を拠点としている。この店には、彼を慕う様々な幻棲種が集まる。
本作の人狼は、一般的なイメージ(=夜になると人から狼に変身する)とは根本的に異なる。アフリカ大陸の北方において、ジダン家の先祖たちは、峻嶮なる山岳地帯に住む最強の狼「狼王」に仕える「山の民」であった。元々は人間なのである。
狼王は子を作ることなく天寿をまっとうし、己の毛皮を「山の民」に与えると遺言した。その後、毛皮は山の民の家宝となった。
この一族の統領はジダン家。その当主は、狼王の毛皮を頭から被り、狩猟に出かけるようになる。
その姿は、まさしく人の肉体に狼の頭部をそなえた怪物にそっくりであった。
やがて彼らは、自分たちを「狼王の子孫」だと信奉するようになる。 狼という存在への飽くなき尊崇。毛皮に秘められし、狼王の霊力。 彼らは狼のような誇りと強さを求め……その妄執が、ついには人類の領域を踏みださせた。異能を獲得した彼らは、名実ともに人外となったのである。
ジダン家の末裔にして、現代の当主がダミアンである。
STATUS
- 攻撃力:Unknown
- 防御力:Unknown
- 速さ:Unknown
- 妖気:Unknown
- 知能:Unknown
フィンランド出身の青年。母が日本人であり、セカンド・ネームは母が名づけた。家が貧しかったため、仕事を求めて来日した。紆余曲折を経て、現在はダミアンが経営する銀狼亭でシェフを務めている。図体がでかい割に手先が器用であり、洋食からきつねうどんに至るまで、様々な料理を提供する。
ラースは、有史以前に活躍した巨人族の末裔である。
だが、親からなにも聞かされていなかったので、当初は自分が幻棲種であるなどとは、想像すらしていなかった。
実際問題、巨人族と言われても、ラースと同程度の体格(※身長二メートル弱)の人間なら世界中に存在する。この程度で巨人呼ばわりされるのは、ラースとしても不本意であった。
人を殺し、収監されていたが脱獄。ダミアンの元へ身を寄せた。
STATUS
- 攻撃力:Unknown
- 防御力:Unknown
- 速さ:Unknown
- 妖気:Unknown
- 知能:Unknown
妖狐族の少女。私立鷹司女学院高等部の3年生。実はプロ作家「藤袴セツラ」として活動している。代表作『死骸城奇譚』はアニメ化を果たし、シリーズ500万部突破の大ヒット作となった。
妖狐は、50年生きると女性に変身できるようになり、百年生きると美女や巫女に変身できるようになる。そして千年を生きた個体は、天にも昇れるほどの神通力を獲得する。これが天狐である。
天狐は特に美しい容姿をしており、金色の体毛と、4本の尻尾が特徴。
刹羅は、とある天狐が産み落とした一人娘である。驚くべきことに、天狐の資質をすべて母から受け継いでいた。
刹羅は生まれながらの天狐であり、唯一無二の存在である。
父親は人間であったという。母の言葉を信じるならば、新撰組の一員として歴史に名を残した「あの人」だというが……真偽は定かではない。
母は刹羅を産んでから数年後に死亡。すべての力が娘に継承された結果であった。亡き母との約束を守るため、刹羅は参戦を決意する。
妖気を発動させると、全身が金色のオーラに包まれて、髪や瞳も金色に変ずる。さらには、4本の尻尾に相当するエネルギー体が、背中から腰にかけて顕現する。この尻尾には、彼女の力が蓄えられている。この尻尾は飛行デバイスであると同時に、武器としても使用可能。
天狐であるがゆえに、空を自由自在に飛ぶことが可能。空中戦を最も得意とし、最新鋭の戦闘機とドッグファイトできるほど。「天狐」という名の通り、天空こそが彼女の故郷といっても過言ではない。古い文献によれば、天狐は「上級の神とも互角に渡り合えるほど」という。
西欧文化に傾倒しており、人前では洋菓子好きを公言しているが、その実、いちばんの好物はきつねうどんである。
STATUS
- 攻撃力:7
- 防御力:6
- 速さ:10
- 妖気:9
- 知能:8
ロシア出身。サキュバス族の少女。だが、サキュバスとしては劣等生であり、東京を手中に収めんと欲する母リュドミラをいつも苛々させている。
現在は鷹司女学院中等部の2年生。
サキュバスとは、女型の夢魔である。睡眠中の男性に襲いかかる習性をもつ。甘い夢を見せてやったり、強引に関係を持ったり——そして、精力をうばう。
だが、アニーシャはサキュバスでありながらも、極度の潔癖症であり、破廉恥な話題は大の苦手。そもそも男嫌いである。サキュバス失格と言っていい。そのため、プリセツカヤ家に仕えるサキュバスたちからは不思議に思われている。
母が言うには、アニーシャは「突然変異体」らしいが……?
アニーシャには、日本のアニメが大好きという一面がある。特に藤袴セツラが原作を務めた『死骸城奇譚』は原作小説を集めるほど。もちろん、藤袴セツラの初サイン会には当然のごとく駆けつけた。しかし、母親の逆鱗に触れたことで、ある事件が発生。
その怒りと絶望が、アニーシャの体内で眠っていた能力を覚醒させる……!
STATUS
- 攻撃力:9
- 防御力:5
- 速さ:Unknown
- 妖気:8
- 知能:3
ゴブリン族の少女。現在は御薪学園初等部の6年生である。
日本では便宜的に「神子リゼル」と名のっているが、本名はリゼルアニア・オン・チャペルマニスタ。中央アジアにあるという「エルゼリア王国」の女王である。ただし、世界地図を見ても、そのような国は確認できない。なぜなら、この王国は地底に存在するからである。そして、王国民の大半はゴブリンである。
ゴブリンは史上最弱の種族であり、醜悪で小柄な鬼のような外見が特徴。他の幻棲種からも忌み嫌われ、差別されてきたという哀しい歴史を持つ。知能も低い。
ただし、王族だけは人間と大差ない外見をしている。リゼルが愛らしい姿をしているのも、王族の血筋ゆえである。
そんな最弱種族であるがゆえに、当初、ゴブリン族が参戦する可能性は皆無であった。女王のリゼル自身、純粋に留学のために来日していたのであり、参戦するつもりなどなかったのである。
だが、《運営》からの申し出に応じた結果、ゴブリン族に限っては、「一種族全体を個体として見なす」という優遇措置が採用された。個人戦闘が基本であるバトル・ロワイヤルにおいて、ゴブリン族に限っては集団戦闘を許可されたのだ。
しかも、ゴブリン族は異様な繁殖力を誇るため、どれだけ消耗しようが、兵力の補充は容易である。最先端の兵器で武装し、軍隊として機能させれば、それなりに戦うことはできるはずだというのが、王国政府の総意である。
しかも、ゴブリンたちの女王に対する忠誠心は強い。女王陛下のためとあらば、ゴブリンたちは嬉々として死地へ赴くのである。
だが、慈愛の女王であるリゼル自身は、ゴブリン族の参戦にはあくまでも反対している模様である。
STATUS
- 攻撃力:1
- 防御力:1
- 速さ:1
- 妖気:1
- 知能:1
夢幻計画
滅亡したと伝えられている吸血鬼族を人工的に甦らせ、幻神大戦に出場させるべく、日本政府と御薪製薬が共同で立ち上げたプロジェクト。
日本政府の密命を受けた人工吸血鬼が幻神大戦で勝ち残れば、幻棲種による東京占領を回避できるという考案に基づく。
計画のLPL(Large Project Leader)は、15歳の天才少女・御薪黒羽である。
吸血鬼研究については、夢幻計画が始動する以前から、御薪夫妻(※黒羽の両親であり、御薪製薬創業者の一族)が独自に進めていたが、夫妻は研究の半ばで不慮の死を遂げてしまう。死亡時の状況については不明である。
黒羽が夢幻計画のLPLに就任したのは、彼女自身が吸血鬼研究を専門としており、両親の研究成果を理解できる貴重な人材だったからである。
実験には、二年前に交通事故で死亡した少年(享年18歳)の遺体が使用された。見事に人工吸血鬼として復活した彼は、「月見里大雅」(やまなし・たいが)と命名される。ただし、大雅に生前の記憶はない。これは実験の副作用と思われるが、詳しい原因は不明である。
幻棲種(ヴェイロン)
幻想世界の存在とされている人外種の総称。ヴェイロンとは、「Variable EIdoLON」の略称である。「幻棲種」は日本語表記。吸血鬼のような上級種から、ゴブリンのような下級種まで、実に様々な種族が存在する。
その痕跡は、世界各地の神話、伝説、民話などに刻まれている。中世までは人類との交流もあったが、近代以降、人類が科学文明を発達させていくにつれ、幻棲種の多くは人類の前から姿を消した。あるいは人間に擬態して、人類社会にまぎれて生活するようになった。やがて、人類は彼らを空想の産物と思いこむようになった。
しかし、大英帝国は近代以降も幻棲種と外交を続けていた。その二枚舌外交によって、幻棲種の土地を奪ったことさえある。そのため、人類に恨みを抱いている幻棲種も少なくない。
幻神大戦
西暦2020年、幻棲種の各種族から一人ずつ代表を選出し、この年のオリンピック開催国である日本国内でバトルロワイヤル形式の対戦を行う——それが幻神大戦である。舞台は太平洋上の人工島、海上都市オリュンポスに指定された。
幻神大戦が開催されるきっかけは、近代まで遡る。
かつて大英帝国が隆盛を極めていた時代。英国紳士の皮を被った詐欺師たちによる二枚舌外交によって、自分たちの故郷を奪われた幻棲種たちは、離散を余儀なくされた。おとなしく人類に同化する幻棲種が増える一方で、一部の急進的な幻棲種たちは、西暦1900年に開催されたパリ・オリンピックの会場を襲撃するなど、テロ活動を繰り返した。華々しい祭典であるオリンピックに対するテロは、何度も繰り返されることとなる。
事態を憂慮した英国政府は、西暦1921年、国土回復を悲願とする幻棲種たちに新たな提案をする。「これより99年後、すなわち2020年にオリンピックが開催された都市を、一種族の支配地域として認める」と。
その結果、一時は団結していた幻棲種たちの間で、論争が勃発する。大英帝国の提案に賛成する者もいれば、反対する者もいた。だが、「一種族」というキーワードが、幻棲種たちの自負心を刺激する。その結果、「対人類」で団結していた異種族たちの連携は瓦解。結果的に、条約締結となる。
かくして、西暦2020年に幻神大戦が開催される運びとなった。『幻神大戦』という呼称は、「幻棲種の頂点、すなわち神を決めるための戦い」という意味で名づけられた。
オリュンポス委員会
幻神大戦の運営を司る組織。
日本の官僚や海上都市オリュンポスの役人、そして幻棲種の長老たちが中心となっているが、詳細は不明。内閣事務次官の瓜生丈一郎や、オリュンポス市長の御薪沙耶も参加しているという。
御薪製薬
業界最大手の製薬会社。旧財閥系の御薪グループに属する。抗がん剤から栄養剤まで幅広く手がけており、俳優やスポーツ選手を起用した多くのCMを制作。国内の製薬会社の中でも知名度が極めて高い。
その一方で、幻棲種に関する極秘研究も行っていた。御薪黒羽の両親もまた、御薪製薬の特殊研究チームに所属して、幻棲種の研究に従事。その過程で、夫妻は吸血鬼に興味を抱いた。夫妻は吸血鬼の復活を見ることなく死亡したが、両親の遺志は娘の黒羽へと引き継がれ、「夢幻計画」において開花する。
海上都市オリュンポス
太平洋上に建設された人工島。12の区に分かれており、それぞれにオリュンポス12神の名前が冠されている。まだ建設途中の区もあるが、概ね完成しており、すでに人口は10万人を突破。日本国内において、最も国際化が進んでいる都市でもあり、居住人口の4割を外国人が占めている。
表向きは「経済戦略特区」であり、国内外の企業を誘致した結果、わずか数年で目をみはるほどの発展を遂げた。ロシアの美容系企業「ルヴェ・デュ・ソレイユ」をはじめ、世界中の有名企業が島内に支社を設立した。
だが、この人工都市が建設された真の目的は、幻神大戦の舞台として使用するためである。本来は純然たる闘技場として、極秘裏に建設される予定であった。幻棲種たちの死闘が周辺環境にどれほどの被害を及ぼすのか、想像もつかなかったからである。
ところが、この人工島の建設計画を嗅ぎつけた経済界の要請により、強引に「経済戦略特区」に指定されてしまったという経緯がある。
御薪学園
御薪グループが擁する学校法人。海上都市オリュンポスの第8区に位置する。初等部、中等部、高等部の校舎が、同じ敷地内に建設された。
高等部の一年A組には大雅、リンデ、龍威が在籍している。彼らの担任を務めるのは赤石埜である。また、初等部の六年C組には神子リゼルが在籍。
銀狼亭
海上都市オリュンポスの第5区にある洋食屋兼酒場。昼間は洋食屋だが、夜になると酒場となる。オーナーはダミアン・ラバ・ジダン。シェフはラース・冬弥・ビョルクンドが務める。ゴシック・ムードあふれるインテリアが特徴で、まるで西洋の拷問部屋を思わせる雰囲気。
商売が目的ではなく、海上都市オリュンポスに棲む幻棲種たちの盛り場として、ダミアンが個人的に開いた店である。実際、客の大半はダミアンの取り巻きであり、タダ飯を食わせてばかりなので、利益はほとんど出ていない。ダミアンの個人資産のおかげで、なんとか維持できているという状況である。夜になると、多くの幻棲種が集まる。特にダミアンとラースの大喧嘩は風物詩となっている。
メニューはラースの専門である洋食がメインだが、「きつねうどん」が異彩を放っている。これは、妖狐族である九条院刹羅のための特別メニューである。
死骸城奇譚
ベストセラー作家・藤袴セツラの代表作。
黒羽やアニーシャが愛読している。
いわゆる「ライト文芸」であり、女性読者から圧倒的に支持されている。神宝社G文庫から刊行。全七巻。2017年6月に第1巻が刊行。2018年10月、「月刊コミックパティオ」誌上にてコミック版が連載開始。2019年7月からTVアニメ(全24話)が放映された。シリーズ累計五百万部を突破。
主要キャラクターは女性が大半であり、男性キャラは少ない。作者が『源氏物語』を愛読していた影響で、登場人物の多くに「源氏」由来の名前がつけられている。


最強だらけのバトルロイヤル第二弾!
夢幻戦舞曲2
天使、龍、鵺、人狼、巨人、天狐、夢魔、ゴブリン……幻棲種と呼ばれる人外種による東京争奪戦——『幻神大戦』。在日米軍がその開会式を襲撃するも、月見里大雅の体内で吸血鬼ヴラディスラウス・ドラクリヤが覚醒。他の参戦者たちとともに第五空母打撃群を鎧袖一触、全滅させてしまう。ヴラドの圧倒的な戦闘力を目の当たりにした日本政府は、警戒心を抱くが……!? そして開幕早々、夢魔とゴブリン部隊が激突する一方、鵺族代表・赤石埜舜嶽も行動を開始。狙うは、御薪学園内で一戦交えた際に一目惚れした天使。その正体がリンデではないかと疑う赤石埜は、卑劣な罠を仕掛け——!? 地球上に存在する、全ての知的生命種によるバトル・ロイヤル第二弾!