『緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑』

“鮎川哲也賞”出身 相沢沙呼×『オーバーロード』 so-bin

英雄になれなくても、誰かのための勇者になれる。

2015年10月23日発売

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  • 第1回  紅玉 いづき
                冒険者は酒場に集う。仲間を求めて。
                なんて、スタンダード。
                かつて、読者であった頃の自分が愛した世界を書き上げること。
                それが、何にも代えがたい喜びであることを、懐かしく思い出しました。
                おすすめポイントはたくさんありますが、私からは、とにもかくにも一言だけ。
                女の子が女の子を颯爽と助けにくるラノベは、いいラノベです!
  • これは、主人公ジゼルがまだ「何者でもない」少年だった頃の物語。
                        杖を持つ魔術師がいて、剣を振るう冒険者がいて、世界には万能素(マナ)が満ちている。
                        そうした夢あふれる世界で、けれどここに描かれているのは、幻想世界ならではの種族間にまたがる嫉妬、劣等感、
                        ソコから生まれる悲しいすれ違い——そして
    その中でも「誰かの力になりたい」と誓う主人公の決意です。
                        緻密に練りこんだ人物会話と情景描写を重ね合わせ、緊張感のあるミステリ調に彩られたファンタジー。
                        これは——最後の一瞬まで思考し、観察し、真実を求めることを諦めなかった少年が、残酷な運命に抗う、燃える血潮の物語です。
    • 1
    • 2
  • 第3回

これは、持たざる者のための探求叙情詩(クエスタ・リリカ)———。
            魔術の才能がからっきしな少年、ジゼル・アンダーブルックリン。
            魔術師のための学校《識者達の学院》を自主退学した彼が目指すのは、冒険者だった。
            手始めに冒険者の集う酒場《金獅子亭》へと赴いたジゼルだったが
            そこで偶然、助けを求めていた半妖の少女、ミリアと出会う。
            ミリアは“姉のレナリアを探してほしい”という依頼を受けてくれる冒険者を探していた。
            《金獅子亭》の代わりにその依頼を引き受けたジゼルは
            やがて、とある事件の全貌を追っていくことになり……。
            相沢沙呼×so-binの大型タッグが贈る、
            持たざる者のための探求叙情詩が幕を開ける———。

Character キャラクター

  • ジゼル
  • アルミラージ
  • 桜子
  • シャリン
  • メルティナ
    ジゼルの妹。王都の華やかな酒場《虹色鸚鵡(レインボーパロット)》に通う吟遊詩人。
  • ガブリエル
    司祭位を持つ白魔術師。ゲルニカ・ビフロンズを師に持ち、ジゼルの姉弟子にあたる。
  • ミリア
    《金獅子亭》で出会った半妖の依頼人。姉のレナリアを探している。

Keywords キーワード

  • 冒険者:
            かつては探求士【クエスタ】と呼ばれ、己の信念に基づき、苦難にある人々を救ったとされる者たち。
            現在では単純に、冒険者の宿に集う数々の依頼を請けて遂行する者たちをそう呼称する。
            その依頼内容は、領主が手を下さない農村部の問題事の解決や、行商の護衛任務、歴史学研究のための遺跡踏破など、多岐に渡る。
  • 半妖【ハーフエルフ】:
            別名を鬼子と云う。一般的に、人間と森妖精【エルフ】の間に生まれた混血を差すが、広義には異種族間の混血によって生まれた《歪み》持つ生命のことを示す。
            彼らは人に似ているが、人ではない。故に、人としての権利を持たない。
  • 信奉者【デヴォティイ】:
            近頃の王都を騒がせている殺人鬼。誘拐した娘の頭部を焼いて殺すという残忍な手口から、悪魔崇拝者であると目され、このような通称が付けられた。はたして、この殺人者の目的はなにか?
  • 識者達の学院
            魔術師たちの学び舎であり、世界と魔術の探求に魅せられたものたちが集う研究機関。その総称である。
            魔術を学ぶ学生は、長い修行の末に師事する道師から杖を受け取って初めて、正魔術師という称号を得られる。
  • 金獅子亭
            王都フェ・リにおいて最も名高い冒険者の宿。所属する冒険者たちは、誰も彼もが強者揃いであるとされる。その名の通り金の獅子の紋章を掲げる。
  • 緑陽亭
            王都フェ・リの郊外、新緑の中に佇む冒険者の宿。場所柄その存在を知る者は少なく、依頼が滅多に来ないばかりか、所属する冒険者もまた少ない。
            王都の冒険者の宿の中では最も名声が低い。陽に透き通った緑葉の紋章を掲げる。
  • 断頭台【ギロティーネ】
            武芸に秀でた殺し屋【キラー】たちが集う殺人情報網組織。
            構成員が一同に会することは皆無に近く、その本質は冒険者と非常によく似ている。
            ただ対人戦闘に特化しており、性質上、概ねが非合法の依頼を請け負うことが差異である。
  • 寵みと歪み
            創世の時、神の手で創られた魂には、《寵み》が与えられた。
            対して、神の意図に反して生まれた魂が持つのは、《歪み》である。
            異種族間の混血によって生まれた生命は、例外なく《歪み》を持つ。
            《歪み》はこの世の理を破壊するとされ、人々から恐れ疎まれている。
            歪み持つ魂を救うことはできない。
            殺し、滅ぼすことは、世界の浄化であり治癒であり、正しきことであると神は語る。

Illustrations 口絵イラスト

  • 口絵イラスト1
  • 口絵イラスト2
  • 口絵イラスト3

Information 書籍情報

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