画集発売記念!『グッバイ宣言』座談会
アルセチカ先生の初画集
『UNMOI アルセチカ画集』
の発売を記念し、アルセチカ先生と
『グッバイ宣言』の著者・三月みどり先生、原案・Chinozoさんの対談を実施しました!
これを読めば画集とアルセチカ先生のイラストの魅力がさらにわかること間違いなし!
----------------------
本日は「『UNMOI アルセチカ画集』発売記念!アルセチカさんをほめる回」です!
三月みどり(M)、Chinozo(C):よろしくお願いします!
アルセチカ(A):よろしくお願いします……!!
三月さん、Chinozoさんには、画集収録イラストで好きなものをピックアップしてもらいました。
M:じゃあまずはジャブ的なところで挿絵から。『エリート』の、咲と篤志がちっちゃい頃のイラストです。
M:やっぱりアルセチカさんの絵ってどれも可愛さがずば抜けてるって思うんですけど。このイラストはその中でも、幼い頃のかわいさ、っていうのが出ていて。篤志のこの弱々しい感じが、大人のバージョンと違いが出ていてその後のストーリーにも生きるのでめっちゃありがたかったです! この2人の関係性も、この絵を見ただけでぱっとわかるんですよね。
A:嬉しい……。
M:いや、褒められ慣れてるでしょ(笑)
C:確かに。
A:ストーリーを作ったご本人から言われるのはまた違うんです! この絵は顔の大きさのバランスから、年齢が出るように意識して描きました。もうだいぶ昔なんで、これ描いたの自分じゃないみたいな気がもしますけど……(笑)
A:でもこの人(アルセチカ)って、手を描くのが苦手なんで……。キャラクターのサイズに合った手を描くのが難しいんですよね。なので、もうちょっと手をちっちゃくしたら、もっと幼少期感を表せたんじゃないかなって思いますね。
M:他人としてコメントしている(笑)
A:女の子の手ってちっちゃければ小さいほどかわいいんだけど、私が男の子のキャラを描くのが好きだったせいで大きくなっちゃうんです。
自分の写真を撮って、それを見てイラストを描く人もいますよね。
A:やりますね。Chinozoさんの楽曲は私かChinozoさんかが参考資料を作ってます。
C:俺、写真撮ったことあったっけ?(笑)
A:『ブランディング』(『ブランディングができない』)はイラストをくれた。言葉じゃ伝わらないから。
C:あー確かにね。
では次はChinozoさんのピックアップイラストです。
C:僕も『エリート』からです。これめっちゃいい絵だなあって思います。
C:封筒を持っていて、心がもう壊れた、「もう駄目だ……」みたいなシーンなんですけど。アルセチカさんの良さがめっちゃ出てるなって思いましたね。単に(キャラクターの表情で)落ち込んでいるだけじゃなくて、例えばひび割れでハートの穴を開けて心に傷が入ったのを表現したり、封筒からドロドロしたものを垂らして、おぞましい感情を表現したりとか、感情の表現をオブジェクトって表現するのを結構されてるイメージがあるんです。これを見ただけで、無意識でも「うわー」って落ち込んだ雰囲気になるんですよね。実はよく見るとすごいこだわってるなっていうアルセチカ節が出てる絵だと思いますね。
A:えーいやあ、そうですね…………これが仕事なんで(照)
C:(笑)
A:人と同じような絵を描いてもやっぱ面白くないから。自分にできることを、これからも見つけていきたいですね。
ライトノベルの挿絵でこうした演出をされるのは確かに珍しいですね。
A:イラストの指定の自由度が高いので!
M:自由な職場だ。
C:こういうこだわりがあるのが『グッバイ宣言』シリーズの魅力になってる気がしますね。
M:確かに。Chinozoさん、目の付け所が深いです。
C:えっ、そうですか。でも全部見ていくと、結構こういうのありますよ。めっちゃさりげないですけど、『エリート』のレナちゃんも。
C:これ結構少女漫画とかで使ってる(表現)と思うんですけど、キラキラの星が辺りに散りばめられていて。僕らが見るのってやっぱりレナちゃん本体なんですけど、やっぱりこのキラキラがあるのとないのとでは(無意識の印象が)全然違うっていう。本当にさりげないですけど、こういうのがアルセチカさんの絵はいっぱいあるんですよね。
M:ちなみにこのイラスト、僕がこのあと出そうとしていた一番好きな挿絵です。
C:おー!
M:やっぱり僕はストーリーと関連付けて選んでるんですけど、このレナちゃんは今までのレナちゃんのイラストとのギャップが良くて。ちゃんと演技してるイラストって多分『エリート』までだとこれが初めてなんですよね。
C:うんうん。
A:『シェーマ』で映画に出てるレナはあったので、それと同じような絵にならないようにしました。あと迫力をできるだけ出そうって思って。星はけっこういろんな絵にも入ってますね。星、いっぱい描きたい。
C:ほんと多いんですよね。
A:目力出したいときは、目の周りに星が描いてあったりする。
C:この『シェーマ』のイラストのレナちゃんもそうですよね。目にがっつり星を描いてる。
M:良い意味でさりげないのがすごいですね。言われて「なるほど」ってなる。もっとマンガっぽく、ハッキリ星が描いてあるデザインなわけじゃなくて自然だから。キレイですね。
C:言われて見てみたら結構がっつり描いてて。すげえ。
他に語りたいイラストはありますか?
M:僕は挿絵だと、『TAMAYA』の花火ちゃんの最後のやつです。ケモ耳がついて、こんな「かわいい」+「かわいい」で、もう最強の絵ですよ。多分これよりかわいい絵はないんじゃないかぐらいっていうぐらい(笑)。絵のことは僕あんまりよくわからないですけど……。ストーリーの最後の締めでバシッと決めてくれていて、もともと信頼していましたけど、これで信頼度がさらに爆上がりでした。
A:こういう話をあんまりしたことなかったから、なんか全部すごい。そうだったんだーっていう感動が。
M:もともと(細かい指定はしないで)イラストはお任せだったんですけど、この絵見てさらに「アルセチカさんだったら、任せておけばすごいもん出来上がるんだから」みたいな。
C:そうなんですよ。大丈夫っていう信頼がある。
アルセチカさんは語りたいイラストはありますか?
A:なんだろう……あの、『エリート』の一番最初のレナと咲が一緒にいる口絵ですかね。私は落書きするのが好きなので、この彼女たちの下の方にあるイラストを描くのが楽しかったです。これ実は咲ちゃんが泣いてて、レナがめっちゃ笑ってて。(咲が)「あいつばっかりいいな……」って思っているのを下だけ描いてるんです。
M:本当だ。
C:わ、エモいですね。
M:エモ。もっと細かく見るべきだなと思いました。
C:僕らやっぱ素人からしたら、ぱっと見の印象でイラストを判断しちゃうんですよね。じっくり見ることってあんまりないですよね。
『ミィハー』の挿絵でも、じつは線画でキャラを描いているものがありましたね。(※画集には未収録)
A:この左下ですね。あとはこういう、複数のキャラとか空間を1枚に入れてコマ割りのようなことをするときは、できるだけ単に線を引いたコマ割りにしたくないから、『チーズ』の2人がちっちゃい時のイラストとかは工夫してますね。
M:本当だ。
A:あと『TAMAYA』の口絵とかも、線じゃなくて夏祭りの提灯で区切っていて、上側は(別空間で)金魚がいっぱい泳いでるみたいな。
C:おしゃれやな。
M:本当だ。教えてくれてたら褒めたのに(笑)
A:だってわざわざ「ここ提灯が区切りになってるんですよ!」って言わない(笑)。コマ割りの話は『グッバイ宣言』のときから確かやっていますよ。『グッバイ宣言』の終盤の握手の絵は、握手する手でコマを区切ってるっていう。
C:あっ、これか。すげー。
M:めっちゃとんでもないことや。そう言われたら、絵ってすごい面白いっすね。
C:深いっすよね
コマ割りの仕方は、何か参考や憧れがあるんですか?
A:いやー、「私がイラストレーターになって挿絵を描くことになったらやってやろう」って思って。
M:すごいな。発明だ。
A:描ける絵の枚数が限られてるから、1枚でできるだけ多くの情報を詰め込んでやろうっていう。『グッバイ宣言』が(シリーズが続かなかったら)最初で最後になるかもしれないから、印刷物でやりたいことを全部やっちゃおうって思ったんです。口絵の1枚目も、プリントで空間を区切ってますよね。あと手前に積んでる本は、レナが頑張ってるっていうのを見せたくて付箋がいっぱい貼ってあるとか。2枚目は黒板に何かいっぱい書いてるし……もう描きたいことをいっぱい詰め込んでる。3枚目は、さりげなく(Chinozo楽曲の)MVのキャラが後ろにいたりします。
C:へー!
A:よーく見たらわかるかもしれない。
M:これはSNSで「MVのキャラいる」って言ってる人がいました。
C:仕込んでるなあ。
A:最初で最後かもと思ってたから。
M:もうおかげで7巻まで……(笑)
M:あとそもそも、全部(挿絵も)カラーで描いているのがすごすぎますよね。
C:すごすぎる。『TAMAYA』のこのシーンとかはモノクロでもめっちゃ色が深いっていうかキレイだと思うんですけど、やっぱり元がカラーだからこそなんですかね。
A:逆に最初から白黒で濃淡を出して絵を描くのが苦手だから、モノクロで提出でも絶対カラーで描いてる。
C:『TAMAYA』のこれとか、めっちゃ気合入ってるやんって。
A:男描くの好きだから(笑)
M:女の子ばっかり出してすいません。
A:いやいや(笑)。それはそれで別の楽しみがね。でもこういう怪しい表情をする男の子はいなかったから楽しかった。
C:『グッバイ宣言』のこの桐谷くんは僕のMVっぽいなーって。
A:これはそう(セルフオマージュ)です。
C:おぉ! なんかね、この文字配置とか後ろの感じとかが。
A:これも一作目で全部やろうと思ってやった中の一つ。
M:このレナちゃんめっちゃ可愛いですしね。
C:レナちゃん可愛いで言うともう1枚。『ショットガン・ナウル』のこれかわいい。ガチかわいいっす。
C:レナちゃんがショットガン・ナウルに変装するときに、「どうなるんやろう?」と思ってたんですけど、「かわいい!!」ってなった。
A:これ、レナが変装したってことにちゃんとできてるのかな(笑)
C:いやー全然(大丈夫)。やっぱストーリーと一緒に見てるし。
A:私は(『ショットガン・ナウル』だと)この怒ってるシーンが好き。これ一番上手いな
C:あーこれすごい。
A:これ上手すぎるわー。描いたときも「うめー」って思ってた(笑)
C:このイラストで言うと、ビビってるレナちゃんも好きです。
M:ちゃんと絶望してるのが強く伝わるのがすごい。台詞とかなくても、これ見ただけでどういう状況か全部わかる。
C:僕が『グッバイ宣言』シリーズ全体の、全部のイラストあわせてトータルで一番好きなイラスト、なんだと思いますか?
A:ええー。……さっきからこの人、『グッバイ宣言』の話か『エリート』の話しかしてないですよ。
M:たしかに。
C:どれでしょう?!
A:……。
M:めちゃ迷ってる。
A:なんか、自分が胸張って「これいいでしょ!」って言うの難しいからなー。
C:俺の好みから推測してほしい。
A:いやー……絵多いわ。絵多くてわかんない。多すぎる(笑)
C:えっ、じゃあもう答え言っていいですか?『チーズ』です。
A:『チーズ』の(特定のイラスト)、じゃなくて?
C:もう『チーズ』の全部です。
A:なんだよ。範囲でっか。
C:いや俺ね、知英ちゃんがむっちゃ可愛くて好きなんです。だからもう全部好きっすね、知英ちゃんのイラストは。全部かわいい。最後のレナと一緒にポーズしてるシーンとか、もうありがとうございますって感じです。
A:タイプなんだ。『チーズ』だと挿絵でアメコミ風の文字を入れてるんですけど、これ描くの楽しかったな。この剣を振るときの効果音とか、アメコミでなんて書いてるのかめっちゃ調べた。
C:シュイップ?
A:あと、さりげなく一番左下に「Cheese!」って書いてます。
三月さんの第1位のイラストは何ですか?
M:アルセチカさんが当てますか?(笑)
A:さっき『TAMAYA』で「これ以上かわいい絵はない」って言ってたからそれじゃないんですか?
M:あれ以上かわいい絵はないですけど、一番は別の絵です。
A:難しすぎる。
M:これがずば抜けてやばいなっていう。
A:えー、じゃ作品名だけ聞こうかな。
M:『エリート』です。
A:ツーショット?……なんか違うな。あ!口絵かな? 阿久津と咲が演技してるイラスト?
M:大正解です! これはやばいイラストだなと思って。まず僕……口絵にするシーンの希望でここを出したときに(あとで)「やっちまった」って思ったんですよ。普通に保健室でジャージなので、映えるもんとか着ていないし、行動も地味だし。でもイラストを見たら、普通の格好をしてるのに、本当になんかもう、なんて言うんですかね……おとぎ話に出てもおかしくないようなキラキラした雰囲気で。マジで感動しました。光の当て方とか服の着方とか、あと表情もポージングも全部が最強や!って。このシーンでこんな演出をしれくれるんだったら、もう何をお願いしても良いイラストにしてくれちゃいそうだなって。
A:これはそんなに描くのにつまづいた記憶もないから、本当に小説を読んでそのまま受け取った風景を描いたんだと思います。外から見る地味さじゃなくって、その本人たちがどう感じてるかを絵にしようと思ってたのかも。
M:これがもう『エリート』という話の肝というか、すべてなので。
C:このシーンが(小説でも)めちゃくちゃ良かったですもんね。それでこの絵ができたから……もう僕が一番何もしてへん。
M:ちゃんと楽曲で一番の根本作ってるでしょ(笑)
A:これはちょっとKADOKAWAさんから原画の複製印刷みたいなのを三月さんにあげてほしいです(笑)
M:それはマジでめっちゃ嬉しいです。飾っちゃう。
C:僕が三月さんの立場だったら、確かにめっちゃ嬉しいかもこれ。自分が書いたシーンにさ、めちゃくちゃいい絵を描いてもらったら。
M:やっぱアルセチカさんの絵は、こう……人の心を動かす何かがある。見ると絶対心が動くんです。キャラクターの感情と同じ感情に、強制的に動かされる感がすごいです。
A:いや、さすがにここまで褒められたことないですよ人生で。
M:しかも描くのもめちゃめちゃ早いし。描いてて詰まる工程とかあるんですか?
A:あー……色塗りがそこまで好きじゃないから、色塗りをやってるときにはよくYouTube見たりSNS見に行ったりしちゃいますね。だからボカロMVで、いっぱい絵(の数)を描きたいときはもう色は塗らないようにしています。そういうイラストは画集としては映えにくいから、今回の画集にはあまり掲載していないけど。色を塗らなきゃいけない絵だと、綺麗に線を書かなきゃいけなくて、その綺麗な線を書くのもあんまり楽しくないから……ラフな絵で動画作るのが一番楽しい(笑)
C:イラスト描いていて、考えてる時間はあんまないってことですかね。
A:うーん、詰まることはそんなにない。
M:それって今までの経験から(熟練してきて)手が動く感じですか? それともイラストを初めた最初からそういうタイプだったってことですか。
A:元からかもしれない……。常に描きたい絵が頭の中にあるから、それを毎日描いてる感じです。
M:すげえな。
アルセチカさんが今回の画集に収録された『グッバイ宣言』のイラストを振り返って、思うことはありますか?
A:めっちゃ描いてますね(笑)
M:(笑)
A:ちょっと自分を誇らしいなと思いました。あとは自分でも忘れたような仕掛けがイラストを見てるといっぱいあって面白い。「昔の私やるやん!」って(笑)
まだ話していない「やるやんポイント」はありますか?
A:なんだっけ……あ、『シェーマ』のるいりちゃんはゲームが好きだから、口絵の1枚目のカバンがゲームのボタンのデザインになってます。かわいい。
C:かわいい。
A:あとこれ。『チーズ』の口絵の1枚目のお弁当箱の柄が、『エリート』のときにいた卵のウサギみたいになってます。
C:あー!へえー。ほんまや
A:これ、ちゃんと「弁当を作ってる人の弁当」でいいね(笑)
C:絵の情報量すごいな。
A:でも本当は私も面倒くさがりだから、例えばお弁当のシーンの背景はざっくりですよ。「大体この辺に線を引いておけば教室みたいになるでしょ」っていう線の引き方と、あとは青と黄色で明暗を付ければいい感じになるから、っていうだけでこれを描いてます。
M:でも全然違和感とかない。
A:背景描くときに困ったらおすすめです(笑)
C:この色選びは感覚なんですか?
A:うーん、迷ったりとか、ルールは特にない。あーでも、背景に黄色を使いたいなっていうのがあって、黄色の補色は青になるから……ってことなのかも。あとイラストの真ん中にピンクがあるから、三色でバランスが良いとかを無意識に考えているかもしれません。でも正直、「好きな色がこの辺だから」が一番かな。
M:アルセチカさんの色彩センスは本当にすごい。
C:色使いがめっちゃうまいのに「色塗りが苦手」って言ってるのが、本当に「なんで?」って感じです(笑)
M:ちょっと怖い。
A:面倒くさいんで。色塗るのって時間かかるし。
C:僕で言うギターみたいなもんですか? ギター録るの面倒くさいから……(笑)
A:そう。でも「ギターいいね」って言われるでしょ。
C:ギターが結局やっぱ一番こだわったりするんで。それと同じ感覚なのかな。
C:今回の画集のカバーもすごいですよ。これで色塗り嫌いな意味がわからん、ほんまに。
A:このイラストを描いているときに、あるアニメを配信で観て。色の使い方とかがすごい映像作品だったんです。それを観てたおかげでバフはかかってると思いますね。
M:それって「このイラストに活かそう」とか思って観るわけではないんですよね?
A:そういうわけではないです。絵を描くときに、作業通話とか何か観たりしないと、すぐ寄り道しちゃうから。大体ゲーム実況とか観ながら描いてます。
M:それでたまたま観たやつがハマったんだ。ぱっと見たものをすぐ活かせるのがすごいです。
A:使うというよりは、気分が乗ってくるんですよね。
そういった風に、外からの刺激や影響で絵を描くことは多いんですか?
A:全然ありますね。どちらかというとMVの方が多いんですけど。例えば曲を作った人が「このアニメをモチーフにして書いてます」とか言っていたら、そのアニメは絶対見に行って、何か受け止められるものがないか探したりするし。
C:へえ~
A:画集に入っている『あさきゆめみじ』/イチのイラストだと、中華っぽい曲なので中国の絵巻みたいなものを見ながら色を塗ったりしましたね。
M:何か参考にするときって、「これ使える、これ使えない」みたいな取捨選択を僕はするんですけど。アルセチカさんはなんかもう全部(咀嚼して)身につけられちゃうイメージです。吸収能力がすごい。
C:確かに。
M:さっきの画集のカバーの話も、刺激を受けてそのまま今回一発ですごい絵にできるっていう。凄すぎて、喋る言葉なくなってました(笑)。僕は「天才」って言葉はめっちゃ嫌いなんです。(天才と呼ばれる人の)努力を否定してるみたいで。それでもアルセチカさんはやっぱりすげえ才能があるな、やっぱり絵を描くべき人なんだなって思います。
A:ちょっと……(感激)、これからも小説書いたら呼んでくださいね。やっぱ私に描いてほしいと思ってくれる人とか、これが良いってわかってくれてる人のところで描くのが一番楽しいから。
M:僕はほんとうに描いてほしいです!
Chinozoさんはイラストレーター・アルセチカさんに対してどう思っていますか?
C:もうずっと一緒にやってるんですけど、これからも描き続けて欲しいっすね。本当にいいイラストレーターなので、ぜひ皆さんよろしくお願いします。
アルセチカさん、今日はどうでしたか?
A:いやめっちゃ嬉しかったです。多分明日ほっぺが筋肉痛になると思います。笑いすぎて。
C:あんまり(褒められる機会)ないもんな。
A: 1枚1枚の絵にいろんな意味を込めているのは、個人的にあまり意味を持たない(なあなあで描いた)絵が好きじゃなくて。だから、込めたものを拾ってもらえて、自分が隠しておいたものに気が付いてもらうのは、めっちゃ嬉しいなって思いましたね。
C:絵に意味を求めるのは、アルセチカさんは絶対にそうですね。昔、俺がMV用に「これ描いてほしい」って言ったときに、「なんでそれ描くの?」みたいにぶつかった記憶があって(笑)
A:人気だから、流行ってるから、とかの理由だけで描くのはやっぱり面白くないから……それを描くちゃんとした理由は確かに欲しくて言ったと思う。思ってるより(Chinozoさんと)喧嘩してますからね(笑)
C:うんうん。
A:でもこれだけ長く続けて、これだけのものを作ってたら、その方が普通ですよね。
C:逆に何もない方がね、なんか違和感ありますよね。今はすごい健全じゃないかなと思ってます。
M:自分は今回の話を聞いて、もっとイラストの細かいところまで楽しみたいなと思いました。絵のことは素人なんですけど、こんなにちゃんと細かいところを見たら面白いんだなっていう。僕も小説を書いたとき、細かくてきっと多くの読者は気がつかないだろうなと思いながらも、なんかいろいろ込めたりしてるんで。そうやって自分がやってるんだったら、他の人の絵からもそういうのを味わいたいなって思いました。
C:これは画集を読む楽しみになりますね。
M:あー確かにそうだ。
A:でっかい綺麗な印刷で見られるので!
それでは最後にアルセチカさんから一言!
A:えー(笑) これからも頑張ります!!
C・M:頑張りましょう!!
イラストレーター・アルセチカの初画集!
『UNMOI アルセチカ画集』は大好評発売中!