
ISBN:9784046824059
〈三十の壁〉を私・幽鬼は乗り越えた。
失った手指も取り戻し、完全復帰。
続く目標としていた四十回目も乗り越え、順風満帆のプレイヤー生活を送っていた。
しかし──そこに暗雲が立ち込める。
クリア回数三十超えの強豪が集う四十四回目のゲーム〈クラウディビーチ〉。
そこで見たものは、あの忌まわしき殺人鬼を彷彿とさせるばらばらに刻まれた遺体だった。
犯人を探すべく、絶海の孤島を駆け回るプレイヤーたち。
それを嘲笑うかのように増えていく犠牲者。
そして私が最後に対面したのは〈キャンドルウッズ〉にいた彼女の後継者だった。
ある時は制服の遊園地で。
またある時は水着のビーチで。
私たちは今日も──死亡遊戯で飯を食う。
ISBN:9784046821096
〈キャンドルウッズ〉から三ヶ月。私・幽鬼はプレイヤーに復帰した。
足元の不安な廃ビルから脱出するゲーム〈スクラップビル〉。
高飛車なお嬢様のプレイヤー、御城に困らされながらも、私はゲームをこなす。
――それから時は過ぎ、私は三十回目にさしかかる。
〈三十の壁〉。
三十回辺りのゲームで、プレイヤーに不幸がたたみかけるという業界の〈呪い〉。
その影響か、あるいはそれを気にするせいか、私は調子を落としていた。
そんな私に、さらに近づく影がひとつ――
「このゲームを潰す、お手伝いをしてほしいのです」
あるときは廃ビルを探索し、またあるときは風呂場で札の争奪戦。
そうして今日も私は――死亡遊戯で飯を食う。
ISBN:9784046819376
目を覚ますと、私は見知らぬ洋館にいた。
メイド服を着せられて、豪華なベッドに寝かされていた。
寝室を出て、廊下を歩いた。
食堂の扉を開けると、そこには五人の人間がいた。
みな一様に、私と同じくメイド服を着せられていて、少女だった。
〈ゲーム〉の始まりだった。
吹き矢、丸鋸、密室に手錠、そして凶器の数々。人間をあの世にいざなうもので満ち満ちている、そこは〈ゴーストハウス〉。
館に仕掛けられたトラップのすべてをくぐり抜けて脱出するしか、私たちの生き残る道はなかった。絶望的な現実に、少女たちは顔色を悪くする――
――ただ一人、私だけを除いて。
なぜかって? そりゃあ――私はこれが初めてじゃないから。
プレイヤーネーム、幽鬼【ユウキ】。十七歳。
自分で言うのもなんだけど、殺人ゲームのプロフェッショナル。メイド服を着て死の館から脱出を図ったり、バニーガール姿でほかのプレイヤーと殺し合ったり、そんなことをして得た賞金で飯を食っている人間。
どうかしてるとお思いですか?
私もそう思います。
だけど、そういう人間がこの世にはいるんですよ。
おととい励まし合った仲間が、今日は敵になる。
油断すれば後ろから刺され、万全を尽くしたとしても命を落とすことがある――
そんな、死亡遊戯で飯を食う、少女が。